むちうちの治療について
むちうちになると、どんな症状が出るの?
むちうちとは、自動車が衝突したときに、首がむちのようにしなることによって起きる症状を総称したものです。
診断名としては、外傷性頚部症候群や頚椎捻挫が使われます。
交通事故直後から症状が出る人も多いですが、約5分の1は、12時間かそれ以降に出るそうです。
症状としては、頚部痛・頭痛・頚部の運動痛以外にも、肩や背部の放散痛・上肢の痺れや脱力感・めまいやふらつき・吐き気・不眠など色々あります。
むちうちの損傷部位は、頚部の筋肉・靱帯・関節包・椎間板・椎間関節などです。
Ⅹ線やMRIで異常所見が見つかる場合もあれば、分かりにくい場合もあります。
じゃあ画像で何も出なかったら異常がないのか?というと、そんなことはありません。
例えば、軟部組織の微小損傷などは、画像上異常が見つかりにくいことが多いです。
しかし傷の程度が微小でも、炎症によって、周囲の筋肉にスパズムが起きると、強い痛みを感じることがあります。
治療せずに放っておくと、ますます強い緊張が続き、症状が悪化し、自律神経まで侵されるようになります。
そうならないように、当院では手技療法を基本に、超音波機器などの物理療法を上手くミックスし、むちうちの専門的施術を行います。
交通事故直後は症状があまりなくても、頚部周囲の組織を損傷している可能性がありますので、念のため事故当日か翌日までに、当院へご連絡下さい。
むちうちによる頚部痛のメカニズムとは?
痛みの種類には、構造痛・内臓痛・心因痛などがありますが、ここでは主に構造からくる頚部痛を取り上げます。
頚椎における構造痛の主な原因ですが、連結する二つの椎骨が形成する関節周囲の軟部組織(例えば椎間板・関節包・靱帯・筋肉)が過度にストレッチされることによって起こります。
ただし痛みはストレッチの強さや時間によって変わってきます。
例えば人差し指を後ろに伸ばしてみてください。
指に適度な緊張が感じ取れるまで伸ばし、その状態を保ちます。
最初は気持ちよく感じますが、しだいに軽い不快感を感じるようになってくるはずです。
そしてさらに同じ強さで伸ばし続けると、指が痛み始めてくるはずです。
スマホなど生活習慣からくる首の痛みなどは、このようにして起こることが多いです。
痛みは脳からの警告システムですが、先ほどの指を適度に伸ばした例は、アラームが鳴らないレベルで長時間軟部組織を伸長し続けたことを意味します。
しかし生理的範囲内で伸ばされているとはいっても、組織は伸張性収縮を強いられ緊張し続けます。
すると頚椎周囲の筋組織が低酸素状態になり、発痛物質が蓄積され、頚部痛となります。
猫背やスマホの見過ぎなどの生活習慣からくる頚部痛はこのようにして起こります。
一方、今度は緊張を感じる部分を通り越して、最初から痛みを感じるところまで指を一気に伸ばしてみて下さい。
痛みは突然起こるはずです。
「これ以上動かすと、指が損傷してしまう」と、身体が防御するからです。
しかしこのような脳の警告システムが起こる間もなく、強制的に生理的範囲を超えて指が伸ばされたら、指が損傷してしまいます。
むちうちによる頚部痛はこのような例と同じ仕組みで起きます。
むちうちは、交通事故によって強制的に外力が与えられ、生理的範囲を超えて頚部が伸ばされることにより起こるからです。
そのとき頚部に与えられる外力の大きさは、いくつかの要因によって変わります。
それは衝突の速度・双方の車の重力・入力の角度・危険を予知できたかなどです。
以上のように、むちうちによる頚部痛は、生理的範囲を超えて頚部が過伸長すると起こり、悪習慣による頚部痛は、生理的範囲内で頚部が長時間伸長されることにより起こります。
これらの頚部痛は、発生機序が異なるので、施術方法も変わってきます。
頚部痛の専門的な施術をご希望の方は、当院へご連絡ください。
なぜむちうちは治りにくいのか?
交通事故にあってむちうちになると、頚部の筋肉・靱帯・関節包・椎間板・末梢神経などいろんな組織が損傷します。
身体は損傷した部位を修復するために炎症を起こすので、痛みなどつらい症状が出てきます。
この修復作業には、エネルギーが必要で、酸素やブドウ糖を使って作られます。
このような作業は、脳が自律神経を通して行っているのですが、「ミトコンドリア」という細胞内の発電所で、酸素とブドウ糖を使ってエネルギーを作っています。
ただしここで問題が生じます。
酸素を使ってエネルギーをバンバン作る過程で、大量の活性酸素ができてしまうからです。
この活性酸素には、身体にとって有益な面もあるのですが、いろんな物質や細胞を酸化しダメージを与えるという悪い面もあります。
例えば血管内の脂質が酸化すると過酸化脂質になり、動脈硬化を引き起こしますし、自律神経が活性酸素によって酸化されると、脳は「疲労」を感じるようになるといわれます。
脳が疲労を感じると、身体を強制的に休めようとして、頭痛・めまい・吐き気・ふらつき・だるさなどいろんな症状が出てきます。
これが自律神経症状です。
その一方で、交通事故後、脳は様々なストレスにさらされます。
例えば、損保会社とのやり取り・時間をやりくりしての病院通い・痛みを始めとする不快症状・未来への不安などがあげられます。
実はこのような精神的ストレスもエネルギーを必要とするので、自律神経に酸化のダメージを与えます。
このように修復プロセスから生じる酸化と、精神的ストレスから生じる酸化が二重に発生し、むちうちの症状の改善を難しくします。
さらに脳が痛みを記憶するので、傷が修復されてもなんらかの刺激によって痛みを感じるようになるともいわれています。
以上のようにむちうちの症状が起きる要因は複雑なので、治りにくいケースが比較的多いように感じます。
だからこそ、患者様には医学的なこともご理解いただきながら、症状にばかり目を向けずに、できる範囲で日々の生活を楽しんでいただきたいと考えています。
そのために当院としては、少しでも患者様の症状が緩和するように、症状改善に向けたお手伝いをさせていただきます。
むちうちの急性期にはどんな治療がベストか?
むちうちとは、正式には外傷性頚部症候群のことで、頚椎捻挫型がその多くを占めます。
頚椎捻挫は、交通事故の衝撃によって、関節可動域の生理的範囲を超えて椎骨が強制的に動かされた場合に起きてしまいます。
頚椎には、関節安定機構として、関節包・靱帯・椎間板・筋肉といった軟部組織がありますが、瞬間的に生理的範囲を超えるような動きを強制されると、そのような組織が損傷します。
ただし脱臼や亜脱臼と違い、骨の静的位置がズレてしまうことはありません。
しかし軟部組織は炎症を起こすので、急性期には、自発痛・夜間痛・強い運動痛・運動制限などが起きます。
なぜなら炎症は身体が患部を修復しようとする重要な反応で、急性期には、免疫細胞がダメージを受けた細胞を除去しようとするからです。
また強い痛みが出ることで、身体を安静にさせようとします。
除去過程が終了し、修復過程に進めば、炎症は徐々に鎮火していきます。
よって急性期には安静をはかることにより、障害を受けた細胞の除去に、なるべく多くのエネルギーを使わなくてはなりません。
すると修復過程への移行がスムーズにいくようになります。
ですからそのような時期には、アイシング・微弱電流治療・超音波治療・HV治療などがおすすめです。
交通事故などでムチウチなどになったら、なるべく早く当院へご連絡ください。
むちうちにおける正しい冷却療法のやり方は?
冷却療法は一般的に、炎症症状がある急性期に行われます。
その根拠としては、毛細血管を収縮させ、炎症の拡大を抑えること、痛みの感覚を伝える神経の感度や伝わる速度を低下させ、痛みを軽くすること、冷えた患部を元に戻そうとするので、血流が良くなることなどがあげられます。
しかしその一方で、重い損傷で冷却療法をやりすぎると、回復力が落ちてしまうという報告もあります。
炎症期には、貪食細胞などが損傷した建物の除去を行ってきれいにし、増殖期では、線維芽細胞や血管内皮細胞などが新しく建物を作るのですが、冷却療法を過度にやりすぎると、貪食細胞などの活動が抑えられ、建物の除去が遅れ、回復が遅くなるといわれているからです。
ですから、冷却療法を行うときには、炎症を抑えすぎないようにすることがポイントとなります。
①氷を使って行う(氷のうが便利)
②冷凍庫から出した直後の氷の温度は零下なので、水に少しさらし溶かして使う
③氷のうの場合素肌に直接あてる
④15分~20分アイシング
⑤引き続き行うときは、1時間以上時間を空ける
⑥体調が悪いときや異変を感じたときは、無理しない
⑦1日2~5回行う
⑧むちうち損傷の場合3日~1週間行う
ちなみに、冷湿布がアイシングの代わりになるかというと、なりません。
皮膚と筋肉の間には、皮下脂肪があるために、冷湿布の冷たさを筋肉まで届けるのは不可能だからです。
あくまで冷湿布は、鎮痛消炎剤の効果で炎症の拡大を抑え、痛みを和らげるために使うのです。
なぜ湿布を冷感や温感にしているかというと、脳に冷たさや温かさの刺激がいくと、痛みがブロックされ、鎮痛の即効性を得られるからです。
脳で作動する痛みのブロック効果も、興味深い人体の疼痛防御システムです。
運動器の痛みでお悩みの方は、当院へいつでもご連絡ください。
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※交通事故患者様はお電話いただけますと時間外でも対応いたします
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無料駐車場3台あり。
当ビルの裏にコインパーキングあり(ご来院いただけますとチケットをお渡しします)。
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